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【徹底解説!】「変数」って何?iPhoneショートカットを作りながらマスターしよう!

iOSショートカットの作成において、「変数」は非常に重要です。

「変数」を制すものがショートカットを制す、と言っても過言ではないでしょう。

しかし、
ショートカットを作成しているときも「変数」という言葉は頻繁に出てきますが、実際に変数がどういったものかを理解し活用できている人は少ないと思います。

そこで今回の記事では、

  • 変数とは何か?
  • iOSショートカットで使う2つの変数

という2点について、解説していきます!

これまでiOSショートカットで学ぶ!プログラミング教室シリーズの第1回と第2回で、ショートカットとプログラミングの関係や、プログラミングの基本3要素について学習してきました。

変数」はプログラミングするときには絶対に必要な存在ですので、第3回となる今回は「ショートカット作り」「プログラミング学習」という2点において、特に非常に重要な回となります。

プログラミング初学者の方でも分かりやすいよう具体例を用いて解説していきますので、もし1度目で理解できなかったとしても、本記事を何度も読み返して理解していただきたいです。

それでは、Let’s プログラミング!

目次

そもそも変数って何?

まず、「変数」とは何かを説明します。

簡潔に言うと、変数とは「データを入れるための箱」のことです。

変数は、”1”などの数値から”山田”というような文字列まで様々な値を入れることができ、その箱に好きな名前を付けることができます。

ここで一つ例を考えてみましょう。
”山田”という文字(データ)を入れた “母の旧姓”という名前の変数を作ってみます。


“母の旧姓”という名前の箱を用意しておけば、いつでも”山田”というデータを取り出すことができます。

変数がデータを入れるための箱であるというイメージは湧きましたでしょうか?

さらに、一般的に変数は「1つの変数には1つのデータしか入れることができない」ということも理解しておきましょう。

先程の例で言うと、”母の旧姓”と言う名前の箱(変数)に”山田”以外のデータ(例えば”鈴木”や”佐藤”)を追加で入れることができません。

このように1つの変数には1つのデータしか入れられないという決まりがあるのですが、実は変数の中に入っているデータを入れ替えることができます。

例えば、
“母の旧姓”という箱(変数)に”鈴木”という新たなデータを入れようとしたとき、”山田”という古いデータは箱の外に追い出し、”山田”の代わりに”鈴木”というデータを”母の旧姓”という変数に入れることができます。

以上の点を押さえておけば、変数の基本はOKです。

ただ、注意すべきは、ショートカットには扱う変数が3種類もあるということです。

続いて、iOSショートカットで使う3つの変数について理解しましょう。

iOSショートカットで使う3つの変数

ショートカットで扱う変数には、「マジック変数」「特殊変数」「手動変数」の3つが存在します。

この3つの違いを理解し、使い分けれるようになるとショートカットでできることが格段に増えます。

また、先に言っておくと、これまで説明してきた「変数」とショートカットにおける「変数」は違う性質を持っていたりするので、要注意です。

それでは、ひとつずつ理解していきましょう。

1つ目の変数:マジック変数とは?

マジック変数は、各アクションの出力結果(データ)を自動で変数として格納してくれます。

以下は、メモを検索しQuickLookで表示するショートカットの作成画面です。
今、「メモを検索」アクションと「Quick Lookで表示」アクションが配置されています。

「Quick Lookで表示」アクションの「入力」という箇所が空白になっていますのでタップし、「マジック変数を入力」をタップしてみます。

すると、以下のように「メモを検索」アクションの下に「ノート」という項目が出てきます。

これがマジック変数で、メモを検索した結果のデータを自動で「ノート」という名前の変数に入れてくれているのです。

普通は、
・変数(箱)を用意し、データを箱に入れる
・変数(箱)からデータを出す。
という流れでデータを扱う
のですが、

iOSショートカットでは、アクションの結果(データ)を入れる変数(箱)は自動で「マジック変数」として用意してくれて、それを使って簡単にデータを取り出すことができます。

自分で変数を用意しなくても直感的にデータを操れるので、めちゃくちゃ便利です。
まさに「マジック」ですね。

2つ目の変数:手動変数とは?

手動変数は、その名の通り自分で設定する変数のことです。

マジック変数は、アクションの結果を自動で変数に設定してくれました。

そこを自分で(手動で)設定するのが手動変数です。

先ほどのメモを検索しQuickLookで表示するショートカットを手動変数を使って作ると以下のようになります。

「変数を設定」というアクションを追加しメモを検索した結果(データ)を「メモ」という名前の変数(箱)に入れ、クイックルックアクション内で「メモ」という名前の変数(箱)からメモを検索した結果(データ)を取り出し、表示する。

以上のようなことをしているわけですが、マジック変数を使った方が簡単だと思いませんでしたか?

多くの場合、手動変数を使わずにマジック変数を使った方が良いです。

マジック変数を使った方がプログラムが読みやすくなりますし、なりより便利であるからです。

しかし、手動変数にはマジック変数にできないことがあります。

それは「複数のデータを入れておく」ことです。

「え?前に”1つの変数には1つのデータしか入らない”って言ってなかった?」
と思った方は鋭いです。

実は、ショートカットの手動変数というのは特別で、複数の値を入れることができるのです。

ショートカットの手動変数に複数の値を入れるには「変数に追加」というアクションを使います。

「メモを検索してクイックルックで表示するショートカット」で「変数に追加」を使ってみると以下のようになります。

まずは、①”本日の予定”という文字を本文に含むメモを検索し、

②その結果を「変数に設定」アクションを使って「メモ」という名前の変数に入れています。

続いて、③”auto-cook”という文字を本文に含むメモを検索しています。

その下に④「変数に追加」アクションを追加し、③の検索結果を事前に設定しておいた「メモ」という名前の変数に追加しています。

そして最後に、⑤「”本日の予定”という文字を本文に含むメモ」「”auto-cook”という文字を本文に含むメモ」という2つのデータが入った「メモ」という変数から、クイックルックで中にある2つのデータを表示しています。

これは、マジック変数ではできないことです。
手動変数をうまく使えば、複数のデータを使ったショートカットを作成することが可能になります。

ただ、一般的な定義では、変数というのは1つにつき1データです。

ですので、もしショートカットアプリ以外(JavaScriptなどのプログラミング言語などを用いて)でプログラミングをすることになったときに、

「変数って複数の値を格納できるんでしょ?」と思っていると困ったことになってしまうので注意です。

ショートカットの変数が例外的であることを意識しておきましょう。

2つ目の変数:特殊変数とは?

最後に、特殊変数です。

特殊変数とは、ショートカットが実行されるごとに異なるデータが格納される変数のことです。

現段階では意味不明だと思いますが、特殊変数の具体例を見れば「あー、あれか!」と理解できると思います。

特殊変数には以下のようなものがあります。
・毎回尋ねる
・クリップボード
・現在の日付
・ショートカットの入力

などです。

クリップボードの中身や現在の日付というのは、ショートカットを実行する時々で変化しますよね?

「毎回尋ねる」というのも、ショートカットの実行時に毎回入力を求めてくるものなので、その都度値が変化します。

↓ 実行画面

これらの特殊変数は、事前に用意されています。

変数の選択画面や、キーボード入力の上から選ぶことができます。

この特殊変数も、マジック変数と同様に自動で設定してくれるので非常に使いやすいですね。

まとめ

ここまで
・変数の基本的な概念
・ショートカットで使う3つの変数

について解説してきました。

おそらく、「変数、変数、言われすぎて、よく分からくなった…」という方もいらっしゃると思いますので、

ここまでの内容をまとめたチェックシートを作っておきます。
復習にご活用ください!

・変数は「データを入れるための箱」

・変数には好きな名前をつけれる

・1の変数には1つのデータしか入らない

・ショートカットアプリの変数には「マジック変数」「手動変数」「特殊変数」の3種類がある

・「マジック変数」にはアクションの結果(データ)が自動で入れられるので、自分で変数を設定しなくて良いから便利

・「手動変数」は自分で名前とデータを用意する変数。一般的な変数と違い、複数のデータを持つことができる。

・「特殊変数」はショートカットを実行する時々でデータが変わる変数。自動で用意されている。

終わりに

「iOSショートカットで学ぶ!プログラミング教室」第3回の本記事では、「変数」について解説しました。

プログラミングに慣れていない方だと、初見で理解することが難しかったかもしれません。

しかし、自分で手を動かして変数を使ってショートカットを作ってみれば、「ああ!こういうことだったのか!」と理解できることもあると思います。

自分で「変数」を使ってみて、よく分からなくなってしまったら、またこの記事に帰ってきてください!

次回の記事はこちら!

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